2015年8月10日(月)~14日(金)に開催した5日間のフリーキャンプ、おかげさまで無事終了しました。
送り出してくださり見守ってくださった保護者の皆様、様々な形で応援・協力してくださった皆様、ボランティアのスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
土居自然学校として、昨年夏、そして冬と続けてまいりましたフリーキャンプも3回目、子どもたちや保護者の方々の、こういう機会をもっと作ってほしいという思いは、このフリーキャンプ開催への原動力、推進力でもあります。
ゆくゆくは、この機会を、期間限定開催ではなく、連続的な日常へのものとし、新たな学びの場としていく事を目的にしていきます。
この夏は、お盆にもかかったので、どんな具合に参加していただけるかと思っていましたが、総勢17名(小学1年生~6年生)、それぞれ1泊~4泊まで、総計62泊となりました。そして、今回は、毎日子どもたちが入れ替わり、多い日は14名の子どもたちがいる日が2日間ありました。参加日数を延長したいと延泊をした子もいました。
参加地域は、福岡市近郊、近隣の田川郡内、北九州市内そして宮崎県、熊本県など、遠くからも参加してくださいました。そしてボランティアとして4人のスタッフ(入れ替わりながら)に来ていただきました。
暑さ、食事、休養など安全面には十分気をつけながら、期間中は雨もありましたが、比較的天候に恵まれたキャンプでもありました。
子どもたちにとっても、私たちスタッフにとっても、チャレンジな5日間、その様子をご報告いたします。
<1日目>8月10日(月)
午後2時、まずは12人のメンバーが、油須原駅に集合。これからキャンプのスタートです。
生活の場は、駅から歩いて2~3分ほどの民家。まずは、名札を作ったり、お家の使い方の説明をしたら、さっそく、このキャンプで何をしたいか?今日・明日、何をして過ごすか?を話し合います。
出てきた「やりたいこと」を、紙に書きとめていきます。その中から、今日は、川へ行って、夜はきもだめしをしようという話がまとまりました。きもだめしは、やりたい!と言いったメンバーが、プロジェクトチームになって、作戦を立てることになりました。
また、キャンプ中の生活に必要なことは、みんなで分担。食事の準備や片付け、食器洗い、生ごみの始末・・・など、いつ誰が担当するかも決めていきました。この当番決めも、毎日話し合うことの1つです。
ここまでやったら、さっそく、「源じいの森」へ川遊び。流れたり、泳いだり、飛び込んだり・・・帰りは、そのまま温泉に入って帰ってきました。
夕食のあと、きもだめしチームは、作戦会議。場所は油須原駅。おどかし役もちゃーんと決めて、スタンバイ。暗くなってから、順番に、きもだめしに出かけていきました。
<2日目>8月11日(火)
2日目もいいお天気。今日は、お弁当を持って、英彦山まで遠征です。
車に全員は乗りきれないので、半分は車で、半分は列車とバスを乗り継いで、現地で合流することになりました。
お昼前に到着。昨日の場所よりずっと上流なので、水が冷たい!!深いところに飛び込んだり、ターザンロープをやったり、河原の石で遊んだり・・・と、思い思いに過ごしました。一段落して、お昼ごはん。みんなで握ったおむすびに、赤村特産物センターで買ってきたおかず。きゅうりが1人1本ずつ…というのもありましたが、全部きれいになくなりました。
また、もっと上流まで探検したい!というメンバーは、流れる川の中を歩き、岩を登りながら、少し上流まで登って行きました。そのうち、今日から参加のメンバーが到着して、一緒に川遊びに合流しました。
川のあとは、「英彦山温泉・しゃくなげ荘」の温泉であったまって帰りました。
帰り道、車で帰るチームは、晩御飯の材料を買い出しに。晩御飯は、手巻き寿司。何を巻こうか?と相談しながらのお買い物です。
夜は夜のお楽しみで、花火をしたり、ナイトハイクに出かけたりして過ごしました。
<3日目>8月12日(水)
今日は朝から雨。さて、何して過ごそうか?
そうめん流しをやりたいというリクエストが多かったので、これは今日のうちにぜひ実現しよう、という話もまとまりました。
午前中は、図書館へ出かけるチームと、お家でお絵かきをしたりしてゆっくり過ごすチームに分かれました。
そのうち、スタッフがそうめん流し用の竹を伐ってきたので、庭で、それを割って、組み合わせて、雨避けのブルーシートをはって、準備です。
それから、そうめんの他に、何を流そうか?特産物センターに一緒に買い出しに行ったメンバーから、ブドウ・ミニトマト・ブルーベリー・梨・こんにゃく・きゅうり・オクラ・・・といったアイデアが出たので、全部採用しました(笑)。
そして、お昼はそうめん流し!雨も強くなってきましたが、軒下とブルーシートで雨を避けながら、実行できました。
午後、メンバーの入れ替わりもあり、11人になりました。
午後からは、リクエストのあった「宝探し」を、今回はスタッフでアレンジ。名付けて、「赤村トレジャーハンティング(宝探し)」。3チームに分かれ、各グループに、課題(買ってきて欲しいものと、訪ねてきて欲しい場所)と地図とお金を渡します。
買ってきて欲しいものは、こんな感じでした。これが、夕食の材料になります。
A:「村のお肉屋さん」で豚ミンチ3パック
B:赤村特産物センターで、豆腐2丁・卵2パック
C:赤村特産物センターで、夕食に食べたい野菜・果物1000円以内
同時に、地図を渡して、以下の場所を訪ねて写真を撮って来て欲しい、と伝えます。
A:秋葉神社、恵比寿神社
B:我鹿八幡神社、恵比寿神社
C:今川公園、我鹿八幡神社
また、食材の代金の他に、1グループにつき250円ずつ渡します。これは、グループで何でも好きなもの(例えばおやつなど)を買ってきていいよ、と伝えます。そんなルールで、スタートしました。
各グループ、道中、いろんなエピソードがあったようですが・・・。一番早く帰ってきたAチームは、250円をうまく使って、モナカアイスとお菓子をメンバー全員で分け合っていました。Bチームは、卵が売り切れていたので、探し回って、他のお店でやっと見つけたそうです。歩き疲れた~と言って帰ってきました。Cチームは、大きなかぼちゃとたくさんの梨を抱えて帰って来ました。訪問先は、途中で道に迷って、出会った人に道を尋ねながら、やっと見つけたそうです。
みんなが買ってきてくれた材料で、無事、夕食に。ハンバーグと、かぼちゃのクリームスープ、かぼちゃ炒めができました。
また、この日は、ゲストに、本物の山伏さんが、ほら貝を持って訪ねて来て下さいました。
<4日目>8月13日(木)
今日もまた雨。でも、午後には上がりそうです。
午前中は、昨日からリクエストがあった体育館を借りることにしました。行きたいメンバーは、誘い合わせて体育館へ。行かないメンバーは、残ってお絵かきしたりと、それぞれの時間をすごしました。
お昼ごはんは、イタリアンの得意なスタッフに習って、トマトスパゲティ。それに合わせて、ピザも、生地から作りました。赤村の有機栽培のトマトをたっぷり使った、本格的なトマトソースのスパゲティ。子どもたちにも大人にも、大好評。あっという間になくなりました!
午後、やっと雨があがりました。午後からは7人に、こじんまりとした人数になりました。再び、川!のリクエストに応えて、今度は、歩いて行ける距離にある、赤村特産物センター前の川へ遊びに行きました。
晩御飯は、今度はカレーの得意なスタッフの伝授で、スパイスから作るインド風カレーと、インド風ヨーグルトサラダです。玉ねぎをしっかり炒めて・・・ルーを使わないカレー、玉ねぎと野菜の甘みで、甘口のカレーが出来ました。
<5日目>8月14日(金)
この日は、朝から「源じいの森」のキャンプ場でTV(KBCの「アサデス」)の生中継がある、というので、みんなで出かけて行きました。そして、しっかり映ってきました。
今日も、川へ!このキャンプ4か所目の川は、みやこ町犀川の「ほたるの里公園」。適度に流れもあり、浅いところから深いところまであり・・・夏休み中は、わりといつもにぎわっているところです。思い思いに、お昼までの時間を楽しみました。
お昼ごはんは、赤村のパン工房さんで焼いていただいた、赤村パンのオープンサンド、そして、デザートに、手作りポップコーン。
あっという間に最終日、油須原駅でお別れです。みんな、元気でね~☆
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キャンプをふりかえって
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昨年夏休みに始めたこのキャンプも3回目、私たちスタッフもキャンプのスタイルが確立してきたかな?と思っていましたが・・、なんのなんの、今回のキャンプも様々なドラマがありました。
一番気にかかったのが参加してくれる子どもたちの多さです。
昨年は総勢で8名(計22泊)でしたが、今回は倍の17名(泊数は3倍の計62泊)となりました。
リピートしてくれる子どもたちも1/3と、この活動自体を保護者の方々にご理解をいただけている事の証でもあります。また、この夏も延泊を申し出た子がいました。期間中友達になった仲間たちと、どうしても一緒にいたい。その思いを、保護者の方と相談しながら出来るだけかなえてあげたいということからです。
もうひとつは宿泊施設のことです。
キャンプ場やその施設をお借りするのもいいけれど、私たちの行うフリーキャンプは、生活と暮らしそして食べる事をベースにしています。そこでキャンプ実施にあたっていろいろと探し回りました。
そこで考えたのが、空き家をお借りする事でした。この地域には、昭和の時代に建てられた比較的大きな家が、誰も住む事なくあちこちに残されています。持ち主の方に相談した所、子どもたちへの活動の役に立てるのならばと、快く貸していただける事となったのです。
遊ぶ内容はフリーキャンプではおなじみ、子どもたちの話し合いによって決まっていきます。
最初はどう話を切り出したら、提案したらいいのかと、お互いを探りながら見ていた子たちも、しまいにはその場に安心して意見を言い始めます。私たち大人も口を出しません。しかし、ただ見ているのでもなく、同じ土俵にたって同じ立場で話に加わります。
キャンプ中、ひとつのエピソードがありますのでご紹介しましょう。ある日の朝、食事の準備を始めたときです。ほとんどの子が「目玉焼きが食べたい」と言っていましたが、「卵かけご飯!」「いや、卵焼きがいい」と、朝食に作る卵料理(基本的に子どもたちが料理をします)について意見が分かれたのです。他にも「ゆで卵」とか「スクランブルエッグ」と5つもの意見がでました。
多分いつもは多数決で決まるのでしょうが(この場合目玉焼き)、このキャンプでは徹底して話をします。
結論、卵かけご飯は料理の必要がないので採用。ゆで卵とスクランブルエッグは1人ずつだったので第2希望へ、そして卵焼きと目玉焼きを作る事になったのです。
これもフリーキャンプの特徴。何時までに何をしてとか、そういう制約はありません。キャンプの時間の流れ自体を子どもたちが決めているのですから。彼ら彼女らが納得して進めていく事が大事なのであって、多少朝食の時間が遅くなっても問題はないのです。
今を、そのトキを大切に、そのためには私たちはいつも言っていますが「直感と思いつき」「対話と活語」が大切な要素になります。
こんな感じで今回のフリーキャンプも無事終える事が出来ました。
ありがとうございます。
これからもいろんな事を企画していきます。次にお会いできる事楽しみにしております。
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